百折不撓

データ系の新米エンジニアとして戦闘中。

時代

 ほんの数年前まで高エネルギー物理学と言う分野で大学院生をしていました。実験素粒子物理学と言った方が字面から分かりやすいのかもしれませんが、「こりゃあかんわ。」と思ってドロップアウトした劣等としては、“素粒子物理学”という文字たちが醸し出すプレッシャーがちょっと強すぎて使いづらいのが本音です。プレッシャーを感じない位には理解したかったなぁ。
 それはさておき、そんな数年前にやっていた事を久しぶりに感じるべく、某女子大で行われたInternational Linear Collider(ILC)のシンポジウムに行ってきました。講演者がアメリカのノーベル物理学賞受賞者(グラショウさんとバリッシュさん)というモンスター達(?)ではありましたが、一般向けの講演だったので内容的には自分の理解の範疇でしたが、英語が聞き取れない!通訳の方がいたので補完は出来、それをもって理解したのですが、折角なら彼らの生の言葉をちゃんと理解したかったです。相当に簡単な言葉で喋られていたと思うので、己が如何に自分の英語能力を過信していたか身に沁みました。自分なりに彼らの言葉を分かろうと一生懸命だったので、講演内容とは別のところで少し疲れました。英語頑張ろうと思いました、物理学はまぁその・・・ね?
 バリッシュさんは重力波に関する実験LIGOでの功績で(2017)、グラショウさんは電弱統一理論の功績で(1979!!)それぞれノーベル物理学賞を受賞されています(みたいです。ウィキペディアで調べました)。バリッシュさんに関しては、大学院での授業で名前が出たりはしなかったのですが(大体実験屋さんで名前が出る人はあんまりいないような)、グラショウさんの名前はよく見ました(理解していたかは別ですが)。自分の中では教科書とかの中の人というイメージだったのですが、自分が習っていたことはごく最近の事なのだと初めて実感しました。また、ここ数十年間の科学の発展と言うのは凄まじいのだと改めて実感しました。
 因みに、今お二人の事を調べていたら、お二人とも80歳を超えている事実を知り驚きました。講演の最後に退場されるとき、自分の席の真横を通られたのですが、とりわけバリッシュさんはいかついおっさんって感じで、喧嘩しても勝てそうな感じがしませんでした。80歳のジジイご高齢の方に、いくらノーベル賞を取られていたとしても、喧嘩で負けるわけはないと思いたいですが、グラショウさんは強そうでした(そういう問題じゃない?)。グラショウさんは杖をつかれていたので、喧嘩の話は止めておきますが、講演の中でも頭の中で喋りたいことがポンポン出てきて、それらを抑えるのが大変そうにされていて、その頭の稼働ぶりは健在なのだなと感じました。要するに御二人とも、本当に若かった。Age is just a numberです。

 まぁ、思うままにつらつらと何が言いたいかも分からないような文章を書き綴りましたが、ちょっと前まで苦心してやっていた分野に触れられて、また偉業をなしてきた、そしてこれからも続けるであろう御二人を見て、こちらは十分遠方にいるかけ離れた矮小な存在ですが、良い刺激になりました。

 頑張れ日本!!頑張れILC!!