百折不撓

データ系の新米エンジニアとして戦闘中。

MPPCとかニュートリノとか

 基板からコンデンサをとってしまった話を前々回にしたのですが、先週そのコンデンサが納入されてハンダ付けしました。以来ずっと、MPPCという検出器でLED光を捕らえる事を第一目標にやっていました。簡単にMPPCというのはダイオードです。

 MPPCという子はノイズに弱くて、電源等のGNDを合わせてやらないと綺麗に信号を出してくれません。
 なので、どこでノイズが乗っているか考えてみて、回路を組み替えたり、ノイズが乗りそうなところを保護してみたり、電力供給源から遠ざけてみたり(無駄?)していました。色々した結果、先週の時点でMPPCからの信号は確かに来ているって事は確かめられました。

 そして、つい先程やっと何とか信号のピークを得られて、ほっと一息です。こんな時間がかかる事ではないと思うので、やっている最中は、やっている意味というか、生きている意味あるのかと凹んで、とても嫌な気持ちでいっぱいでしたが、まぁ、何とか進展が見られました。結構嬉しいです。
 何故、得られたのか。今までの何がいけなかったのか。根本の原因を探らなければ、意味がないのでまだまだですが、頑張りたいと思います。

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 最近、一般のニュースでも超光速ニュートリノが話題に出てたりします。一回目が9月の終わりくらい。再実験した二回目の発表がつい先日。
 ニュースサイトの記事では、『二回同じ結果だからやっぱり超光速なのではないか?』って導いている様に読めましたが、実際に疑問視されている一つの時間の測り方に関しては、一回目も二回目も同じ方法の様です。

 その方法とは、GPSを使ったもので、衛星の時計と地上2点(ν出発点とν到着点)の時計を同期させる方法です(キーワード:Common View)。参考文献を読んだ限りでは、この衛星と地上2点の位置座標と衛星速度はしっかり分かって測定出来ているとの事です。
 しかし、この方法で本当に大丈夫なのかと言う事が、KEKの聴講会で既に指摘されていて、その時の回答としては『別の測定方法でいけそうなのでそっちでも確かめられる様に研究開発中』というものだった様です。

 今回は他の点についての最新研究結果であって、その疑問点については問題解決と考えて良いのでしょうが、時間の測定については特に変えていない様です。なので続報がこれからもどんどん出てきて、楽しくなりそうですね。
 しかし、嫌なのはその見出し。科学に限らず、最近のニュースの見出しはクリックさせる為に、内容の一部を切り取ってそれを引き延ばした様なものが多い気がします。
 『超光速ニュートリノ問題、最新結果』とかだと誰も見ないでしょうが、せめて『ニュートリノ、やはり超光速、、、か!?』くらいの奥ゆかしさが欲しいです。疑いに疑って、それで疑う余地がないものを真理とするのが科学なのではないかと思います。

 明日、名大の方が聴講会を開いてくれるので、何か得られる様にしっかり聴講します。